知らない人が見たら「なんか四角い箱が沢山ある」と切り捨てられてしまう電子楽器の機材達。
これらが何なのか紐解いていきましょう。
電子楽器に含まれる大まかな機能
大抵の人はDAWから入る事もあってか各機能の区別がつかないんですよね。
自分も最初はそうでした。

それに対してハードウェアは比較的掴み易いです。
これらの機能は複数の役目が一つの機材に備わっているものもあれば、単体で単機能のものもあります。
可搬性を重視していろいろ兼ね備えた物を選ぶのも良いし、こだわりたい機能には単体機を選ぶのも良いでしょう。
気になる機種のカタログを見て「これは外部音源用のシーケンサーが付いてる物だ」とか「これは外部入力は出来るがそこにエフェクトをかけられない」と判断材料になります。
音源であるシンセサイザーとサンプラーの違い

シンセサイザーは様々な方法で電気信号を音声信号に変える機器であり、対してサンプラーは既存の音声信号を取り込んで(標本化=サンプリング)、それを音源とします。
それぞれ音を作る工程に大きな差がありまして、シンセサイザーはある程度の電子的知識が必要不可欠となり、サンプラーは元となる音源が必要になります。
ツマミを適当にいじってもそれなりの音を出せるシンセサイザー、しっかりと素材を吟味してから音作りに望むサンプラー、この作業工程のどちらが向いているかは当人の性格や好みによります。
ドラムマシンにもシンセが主体の物とサンプラーが主体の物があります。
Volca beatsやdrumはドラムシンセ、sampleは文字通りサンプルベースのドラムマシンです。
ELEKTRON Digitaktはサンプル、Digitoneはシンセ。
多機能モデルの中にはシンセの音とサンプルの音を重ねて多彩な音作りが出来るモデルもありますね。

はたまたnovation CIRCUIT TRUCKSのように、音階部分はシンセでドラム部分はサンプルとハイブリッドな構造の物もあります。
シーケンサー
自動演奏機、です。コイツのお陰で生楽器を扱えなくても音楽ができるのです。
DAWのピアノロールもシーケンサーの一種ですし、ドラムマシンやグルボは「音源とシーケンサーが一体になった機材」とも言えます。
主に音階、音の出るタイミング、音の長さなどをコントロールしますが、メーカーにとってはUIデザインの腕の見せどころで、古今東西いろんな方式のシーケンサーが生み出されています。

ドラムマシン/グルボで最も多いのは16個のトリガーキーが横に並んでいる「TR方式」。
往年の名機Roland TR-808の方式に習ったシーケンス方式(上の写真の赤橙黄白のボタンを使う)で、各メーカーがそれを基準に様々な機能を盛り込んでいます。
エフェクター

右下のカラフルな奴がエフェクター。
ギターに繋ぐ小さな箱でお馴染みエフェクター。
シンセやサンプラーのように単体では音を出せないものの、それらの音を好きなように加工する事ができます。
カラオケでお馴染みエコーも有名なエフェクトです。
おすすめかつ定番エフェクトはリバーブ。
1万円のコレを通すだけでシンセの音がリッチになり音が3万円分くらい上がります。
次いでディレイ。エコーもディレイの仲間です。
場合によっては「歪み系」と呼ばれるオーバードライブ、ディストーション、ファズも人気。
地味だけどフィルターやアンプも有用です。
勘の良い方は「フィルターやアンプ」と聞いて気づくでしょうが、言い方を変えればシンセにおけるオシレーター、サンプラーにおける音源、それら以外は全てエフェクターの仲間とも言えますね。
その機材に内蔵されているものもありますし、ミキサーに付いているものもあります。
単体エフェクターの利点と言えば、それらを遥かに凌ぐクオリティや味付けの濃さが魅力です。
ミキサー

複数の音を混ぜて一つにまとめる機能。
ボタンで音をカット(ミュート)したり帯域別に増減するもの(イコライザー/EQ)もある。
グルボの場合「外部入力端子」を備えているものがあり別の機材の音を入れる事が出来るが、機種によって外部入力に対してエフェクトが適用できたりするものもある。
MIDI規格

まず大抵の機種に備わっている、電子楽器の演奏情報に万する共通規格。
これによりメーカーの違う機種でも演奏情報をやりとり出来る。
端子によって種類があり5PIN DIN、3.5mmTRS、USBがある。
信号は一方通行でMIDI IOUTからMIDI INに繋ぐ。機器間で相互にやりとりする場合はケーブルが2本必要となる。
USB-MIDIは相互通行出来るがマスター(A端子)とスレーブ(B端子)があり、グルーヴボックスやドラムマシンにはB端子がほとんど。
稀にA端子を備える物もあり、その場合は鍵盤やコントローラーを加える事が出来る。
TRS-MIDIはAUXケーブルで代用出来る画期的な製品だけど、AとBと規格が別で面倒臭いです。
様々な機材ジャンル
ドラムマシン/グルーブボックス

マシンライブでの花形機材といえばこの二つ。
ちなみにグルーブボックス(グルボ)とは、元は特定の機種につけられたペットネームでしたが、使い勝手が良い為にその機材ジャンルの総称となった経緯があります。
この二つの違い、現在では曖昧なんですけど、「ドラム主体でメロディは作れない」ものをドラムマシン、「ドラムに加えて音階を付けるのも得意」をグルーブボックスと呼ぶのが一般的です。
モジュラーシンセ

カスタムメイドのシンセサイザー。
シンセサイザーの各機能をモジュールごとに分けて自分の好きなように組み立てられるシステム。
完全にモジュラーシンセのみでのライブはマシンライブと呼ぶ事はないですが、マシンライブとモジュラーユーザーが一緒に混ざる事も多いです。
(かくいう自分自身もモジュラーシンセとMaschine+を使っています)
セミモジュラーシンセ

値段も手頃で単体で音を出せる、それでいてパッチングも可能なセミモジュラータイプ。
モジュラーシンセの最初の一歩目に、或いはこれで満足出来てしまえるならもちろんOKです。
単体型デスクトップシンセ

シーケンサーを備えていない純粋なシンセサイザーです。
単体シーケンサー又は外部操作できるグルボ、もしくは鍵盤と組ませて使うもの。
一般的に単体の機材は複合機材より品質が良いと判断して良いでしょう。
単体型エフェクター

普通はギターに繋ぐ「ペダル型エフェクター」がメジャーで、数は限られますがシンセなどの「ラインレベル」に対応してるものがあります。
値段の安いBOSSの中古エフェクターをアレコレ取り替えて楽しむのは誰もがハマる道です。
単体型シーケンサー

他の音源を制御する為だけの機材も、実は人気商品なんです。
同時に二つ三つの音源を同一の操作方法で操る事ができます。
これら三つの単体機を組み合わせてライブに臨む方も少なくありません。
コントロールハブ機材

OCTATRACK、MC-707、TORAIZ SP-16など、自身も音源となり、他の複数の機材のコントロールからミキシング、エフェクトまで多用途な目的の機材です。
長い目で見ればお得ではあるけど、操作は複雑で習得には相応の期間が必要になります。
ソフト/ハード一体型オールインワンシステム

高価で操作も複雑ではあるけど楽曲制作とシームレスに活用できる、いわば「ハードウェアDAW」です。
Native Instruments Maschine+、AKAI MPC LIVE、Ableton Push3などが挙げられます。
これらの特徴はソフトウェアでも同じプロジェクトファイルを扱う事が出来て、「仕込み作業はパソコンで、ライブ本番はハードウェアとして扱える」こと。
グルボやドラムマシンに比べて驚くほど多機能。
ガジエットシンセ

安価でコンパクト、複数の機種がシリーズ化されている人気の高いジャンル。
ひとつ購入すると同じシリーズで何個も揃えたくなってしまう悪魔的魅力もあります。
これらのガジェット系のみでライブを行う人も少なくなく、安価だからと見下される事もありません。
サブ機材としても有能で最近の物は侮れない音質を誇ります。
基本的な作業内容
一般的なグルーブボックスを軸にプレイヤーがどんな事をしているのか紹介しますと、単体又は複数の機材を使って4~6種類以上のドラム、2種類以上のシンセ(ベースとリード)を用意し、(元々その機材に用意されている音色をプリセットと言います。自分で作った音色を登録するのも)1小節〜4小節のプログラムを構築します。
この種類ごとに分かれた音色のフレーズを「トラック(メーカーによってはパートと呼ぶ)」と呼び、それがまとまった物を「パターン」と呼びます。
そうして作ったパターンを時間軸ごとに並べて音楽とするのが基本的な考え方です。
しかし何百小節も作る訳ではなく、ミキサーによるトラックの増減やエフェクト効果を加えて、より音楽らしい展開を本番で作っていきます。
インプロヴァイス・プレイ
上記の事前作業を「仕込み」と呼びますが、プレイヤーのなかには本番でゼロからパターンを作っていくツワモノもいます。
マシンライブではフィルターの開閉、ミキシング、エフェクトの増減も演奏の範疇になります。
またクラシックなアナログ・モノシンセやモジュラーシンセなど、グルボ以外ではそもそもパターンやプリセットの概念が無い機材も多数あります。
当然あらかじめ仕込んだ物に比べて音楽としての完成度は低くなりますが、ライブ性重視の即興演奏ゆえに生楽器の演奏にも近くなり人気が高いです。
機材選びの際は当人の性格や得意分野音楽分野を考慮して「どこまで仕込むか、どこから即興でやるか」の比率を決めていきます。
この方向性を出来るだけ早く決められるかが上達のコツだと思います。
ある意味究極のインプロ機材と言えるのがモジュラーシンセ。
高価でありながらユーザーが多く居るのはモジュラーシンセの即興性に憑かれる人が多いからです。
中古売買は大丈夫?
決して安くはない電子楽器、出来ることなら出費を抑えていきたいですよね。
心情的に中古品が嫌いという方を除いて積極的に薦めたいものです。
たまに中古売買を嫌うあまり他人にも正義感から警告して回る輩もいますが、そんなの本人の勝手だろ。
ただしハズレ掴まされても自己責任です。
10年くらい前までの機種であれば壊れやすい物でもありませんが、購入先は以下の順番で信頼度が下がります。
友人からの購入→楽器店での中古品→SNSでの売買→ハードオフ→ヤフオク/メルカリ→Revrb
顔見知りからの購入が一番信用できます。
次いで楽器店での中古購入。値段は高めですが保証があったり店員さん自体が商品に詳しいです。
SNSでの個人売買も相手の身元が保証されているようなものですから割と安心。
ハードオフは元々リサイクルショップから始まっているようなものなので、値段が安くても「ちょっと待てよ」とひと呼吸いれる事が大事。とはいえ最近は楽器関連に詳しいお店も少なくないです。
ヤフオク、メルカリは要注意ですが、自分個人はハズレを引いた事はありません。
Reverbは世界レベルの中古楽器個人売買サイト(ショップもあります)。
個人輸入なので送料も高いので要注意。日本語が通じない為アフターサポートも期待できませんが、国内の店頭では見られないレア物が数多くあり魅力的です。

最近の機種では製品購入時にメーカーに対してオンライン登録の必要な物もあります。(Novation CIRCUITやMaschine+がそうでした)
中古品ではその登録が解除されてるか確認してから買いましょう。(一度それを怠っていた人から買ってしまい、登録のし直しに苦労した記憶があります)
転売屋について
一時期KORGをはじめ国産の絶版製品に不自然なプレミア価格になっている物が出回ってましたが、こればかりは商品知識をこちらで吟味して自衛するしかありません。必ず新品時の価格と発売時からの年数をチェックしましょう。
古い製品はUIに注意

(元祖GROOVEBOX・MC-303。当時のキッズ達の心をへし折っていた)
UIという考え方が浸透していったのは割と最近の話なので、基本的に古い機材は使いにくいと思った方が良いです。
デジタル技術を多用したシンセやシーケンサー、古い製品は大抵UIが酷い。使いづらくて無理です。
ツマミだけのシンセやエフェクターなどは問題ありません(UI的にはね)。
加水分解
海外製品を湿気の多い日本で仕様すると樹脂部品がベトベトで触ってられなくなるケースがあります。
一応、部品の洗い方などTipsもありますが、初めから避けておいたほうが無難です。
Arturia、ELEKTRONのDigitakt mk1世代(それより古い物は逆に安全)などでよく報告されています。
故障時の修理
絶版製品で保証期間もない場合の故障はメーカーですら有償修理に応じてくれない場合があります。
人気のあった機種であれば(相応の値段はするけど)個人で対応してくれる、いわばシンセ修理屋さんが居るにはいます。
自分自身、モジュラーシンセに限っては修理してくれる人が居るので頼りっぱなしです。
(但し修理代は言い値、納期は気分次第。夏は暑いからやる気出ないと放ったらかし)
ビンテージ機材などは逆に大丈夫(RolandのRE-201テープエコーが有名)。カネさえ積めば大抵何とかなります。

他に必要なもの
ヘッドフォン

観賞用ではなく制作用途の「モニターヘッドフォン」をおすすめします。
誇張されてない音質で正確な音色を把握する(耳で覚える)のが大事なことですから。
例えるならモニタースピーカー、モニターヘッドフォンは音を聴くものというよりは音を測るもの。だと思ってください。
そういうスピーカーはもの凄く高いんですけど、ヘッドフォンでなら1,2万円からありますよ。
おすすめは写真に挙げたオーディオ・テクニカのATH-M50xBT。
普段は有線、スマホやパソコンには無線でどちらも対応出来るので便利です。
音質もやや低音強調ぎみだけど、まぁまぁフラット。値段も手頃。
ちなみに、DTMでお勧めされているSONYのMDR-CD900ST、これ買ってはいけません。
TVCMでも使われていたりと「業務用」のイメージが強いですが、録音用途に使うもので低音がスカスカ。キックの音が聞こえません。

・各種ケーブル

何かと必要になりし地味にお金かかります。
ライブハウスでPAミキサーに繋ぐ時は「6,35mmTSフォーン」のケーブル、クラブのDJミキサーに繋ぐ時は「RCAケーブル」ともに2~3mあれば大丈夫です。
ライブ本番前に必ず確認しましょう。
ちなみに、ですが自作するとめちゃめちゃ安上がりです。
工具揃えて初めてやるとしても安上がり。
(まぁ、それぐらいケーブル増えていくんですけどね)

その他機器間を繋ぐオーディオケーブルとMIDIケーブルも必要です。
電源タップ
別にオーディオ専用の物じゃなくていいので、しっかりした物を用意しましょう。
オーディオ用の物は硬くて重たいから持ち運びが大変です。
かばん

意外と重要。これらの機材をまとめて持ち歩くとなると相応の頑丈さや防水性も必要になり、カメラ用バッグやDJ用バッグが良いっす。
カート

クッションバッグ

本来カメラ用品のものがメチャクチャしっくりきます。
他にも100均で買えるA4サイズくらいのバッグを用意しましょう。
機材の揃えかた例
まずは廉価版クラスの「グルーブボックス」を手に入れるのが一番良いでしょう。
もしこの時点で「あ、オレ向いてねぇな」と思ったらメルカリで売ってしまえば良いですし。
だいたい購入価格の5割〜7割くらいで売れます。
次に最もクラシックな「アナログ・モノシンセ」を入手するといいです。
グルーブボックスでは表現できない荒っぽい音、ある意味ホンモノのシンセの音がします。
必要に応じてそれらの音をまとめる「小型ミキサー」や、モノシンセの音を変化させる「ペダルエフェクター(最初はリバーブが吉)」などを揃えていきます。
(これらはグルボの機種によっては機能が備わっており要らない時もあります)
グルボとモノシンセこの2つがあれば大抵の電子音楽ジャンルはカバーできる筈ですが、初心者がこれだけで30分飽きずにプレイするのはチト厳しいかもしんない。
或いはハードオフに通い詰めて古い機材を漁るのも楽しいですよ。
ここまで半年ってとこかな。働いてる人なら無理はないプランです。
お金持ってるからすぐ買えるよ!って人でも機材操作の習熟に期間を設けるべきです。
個人的好みが入ったプランですと、CIRCUIT TRACKSをメイン機材に持ってくる、と。

これは上で説明したコントロール・ハブ機材で最も安い物。
シンセx2、ドラムx4、外部音源操作用のトラックx2、外部音声入力が備わっていてそこにエフェクトをかけられる、つまり上で挙げたミキサーもエフェクターも要らないんですよ。(他の機種だとこうはいかない)
軽い、薄い、バッテリー内蔵と何処でもモチベーションを下げずにプレイ出来ます。
この分野では珍しく和音を扱えます。
難点はパソコン必須な事。細かい音色設定をパソコンに繋げて行うタイプの機材です。
音質。綺麗ではあるがソフトシンセに近い整いすぎた音です。
アナログモノシンセには「この一台!」ならMakeNoise 0-COASTが良いです。
CIRCUITのおとなしい音質をカバーするには荒々しいアナログモノシンセ。

MakeNoiseはモジュラーシンセ復興に一役買った名門で、そこからリリースされたセミモジュラーシンセが0-COASTです。
ツマミを回したりパッチケーブルを繋いだりして音色が思い切り変わる体験をして下さい。
0-COAST含めセミモジュラーシンセにはエフェクターは付いてません。一部除いてシーケンサーも無いです。
それを外部音声にもエフェクトをかけられるCIRCUITで賄う方法です。
CIRCUITからMIDIで0-COASTを演奏し、その音声をCIRCUITに戻し内部のエフェクターをかけます。
こんな機材は買っちゃいけない
メーカーごとに個性が強い為に「買ってみたけど全然合わないよ〜」というケースは多々あります。
自分にとって合わなくても誰かにとっては絶好の名機なこともよくあります。もちろんその逆も。
買ってはいけないクソ機材を晒し上げる訳ではありませんが、相性の悪い機材を見抜く方法を紹介します。
とはいえ最近の現行機種は音質面ではどれも問題ない
少し前までは「ドラムマシンの癖にキックが弱い」とか「音が曇りすぎていて高域が貧乏臭い」とかありましたが、
いま新品で売っている機種に関してはどれもクラブ/ライブハウスででも問題なく使えるレベルです。
もちろん音のキャラクターは色々ありますが、使えない物はありませんので安心して下さい。
だいたいKORG党とRoland党に分かれる
操作性はもちろんマニュアルの書き方まで違ってくるのでここで好みが分かれます。
インタビュー記事で紹介した二水@早稲田は元々ELECTRIBE WORKSHOPが前身だったこともありKORG党の巣窟。
(もちろんRoland持っていったら殴られるとかそういう事は無いです)
前記事で紹介した喋れるYoutuberのSHINGAさんはガチガチのRoland派。
KORGかRolandで迷っている方、初めはどちらを選んでも問題ないですが、一度その機種の操作を覚えてしまうと互いのメーカーの機種を覚えるのにストレスと戦わなくてはなりません。
ELEKTRON語
グルボ最高峰ブランドと言われるELEKTRONも「理系に非ずんば人に非ず」という言わんばかりのメーカー。
固定ファンがたくさんいますがmodel:cycles以外は初めてのグルボに向いてません。
しかしmodel:cycles唯一の難点。シンセサイズに関わる機能が独特で他機種に応用が効きません。
DigitaktやAnalogRYTMなどの上位機種はまぁ辞めといた方が良いです。初めてには。
ディスプレイに解像度の低い物を使っていて(なんかそこにプライド持ってる)フォントに難があり、
そのため機能名の表示が全て略語です。ちまたではこれをELEKTRON語と言います。
中古品でも相応の値段しますのでどうしても欲しい!E語も頑張って覚える!という方は肚くくりましょう。
パソコン嫌いな人
現在のグルボではパソコンを使って細かい設定をする物が多いです。
上で紹介したCIRCUITなんか凄く割り切った設計思想でパソコン無いと3割も使えません。
それは極端な例だけどパソコン嫌いor苦手な方は出来るだけパソコン不要な機種を選びましょう。
全般的に把握出来ていませんが、店員さんに聞けば教えてくれますよ。
KORG/ELEKTRON:あんまりパソコンに頼らない印象。ファームウェア更新くらい。しかしファーム更新で化けます。
Roland:機種によるけど割と頼るかなぁ?
Novation:絶対必要。持ってなきゃ話にならない。
また上記のMPC LIVEやMaschine+などソフト/ハード兼用型モデルもかなりの依存度でパソコンに頼ります。
「おまえそれでスタンドアロンって言うなや!」と言いたくなります。
余談ですが、ボクの友人にグルボの扱いは神レベルなのに大のパソコン嫌いな男がいまして、絶対に所有しないぞ!パソコン持つと魂抜かれるんだ!と豪語してるんですが、所有するグルボのファームウェアのアップデートの度に機材担いで漫画喫茶に駆け込んでます。
結局パソコンと縁の遠いモジュラーシンセに移行しましたが、KORGのシーケンサーSQ-64のアップデートに右往左往していました。
デザインコンシャスな機材
格好いいんスよねぇ。スマートでウットリします。
世の中「デザイン性が高い=ミニマルデザイン」という発想しか出来ないのに腹が立ちます。
ミニマルテクノは好きだけどミニマルデザインは大嫌いです。
スマートさにこだわる余り使い易さを殺している機種も、よくあります。
あとデザイン優先すると文字が無くなるのは何故ですかね?
世の中のプロダクトデザイナー様は文盲が多いんでしょうか。
アレとかコレとか名指ししなくても分かりますよね?
めちゃ使いづらいです。
「アンタにとってカッコいい機材を買うのが一番だよ」と言いたいですが、コイツ等だけはダメです。
ちゃんとボタンに文字が書いてある物を買いましょう。
理論派か直感派か
理論派の行き着く先はRoland MC-707やAbleton PUSH3のような超絶多機能マシン、直感派はモジュラーシンセにいきます。
ぼく自身理論が苦手な直感操作派なので、先に紹介したCIRCUITやセミモジュラーを推しています。
使っていくうちに、できるだけ早く自分がどっちなのか見極めると良いでしょう。
お金も無駄になりますし、それ以上に時間の無駄です。
こちら古い記事だけど個人ブログの方に主要な廉価版クラスのグルーヴボックスについてのレビュー書いてます。
http://rudeloops.jp/wp/archives/3040
まとめ
こちら、前半の記事で紹介したSERi氏とghostradioshowによる17年前(!)の動画です。
https://youtu.be/VdnP6yQs-j4?si=MTX7F9s6LBDf3yZc
https://www.youtube.com/watch?v=cTdyyWJ6nhU
(動画の埋め込みが不可能でした)
お二方ともに機材の変化はあれど音楽性はいまでも一貫していますね。
誰でも目指せるけど追いつくのは不可能かもしれません。二人ともまだ現役ですから。
あらゆる音楽活動と比べて、ここまで長く続けられる事も電子音楽の魅力です。
別にマシンライブでなくても、ビートメイクでもモジュラーシンセでも構いません。
末永く自分のペースで楽しみ続けましょう。