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マシンライブのはじめかた2024【環境・人脈編】

2024-09-23
in column
マシンライブのはじめかた2024【環境・人脈編】

近年徐々に人口を増やしつつある電子楽器ライブの中に「マシンライブ」というものがあります。
端から見ると一見DJのようですが、
「他人の曲を選んでかける」「自分で作った音をプレイする」と大きな違いがあります。
あらゆる電子楽器ライブの中で比較的入りやすいジャンルでもあるので、その入口を紹介します。

記事を二部構成にして1つ目は【人脈・環境編】、
2つ目は具体的な設備投資に関わる【機材編】とします。

◯マシンライブとは

マシンライブを言葉で説明すると電子音楽ライブの一種、
「ドラムマシンやグルーブボックスを使った四つ打ち系ダンスミュージックのライブ」
となります。あくまでも狭義では、です。
別にハードウェアでもソフトウェアでも構わないし、生楽器が入っていても構いません。
厳密に定義してしまうとこの文化の利点である自由度が損なわれてしまうので、
ほどほどにあいまいにフワっとした表現に留めておきます。
海外ではDAWLESS LIVEとも呼ばれていますが日本ではDAWを使っても構いません(笑)。
後述するドラムマシン/グルーヴボックスを中心に他の楽器を加えて行います。

音楽ジャンルとしては広義でのテクノ/ハウス/トランスがメインで、
稀にアンビエントや他の電子音楽のプレイヤーも居ます。

一人あたりの演奏時間は30分ほど。
そのあいだDJのようにノンストップでプレイするのも特徴です。

通常「ライブ」と言うと自分たちの作ってきた曲を披露するのが普通ですが、
マシンライブでは制作とは別に考えている人が大多数で、そのライブの為に音を作ってきます。
場合によっては事前の仕込み作業をせずに生楽器のセッションのように即興演奏をする人も居ます。

◯マシンライブ以外の電子音楽ライブ

曖昧な定義ですが、
例えば「アナログシンセでノイズ音楽をやる人達」はマシンライブとは言いませんよね。
またアンビエントとなるとELEKTRONのグルボはよく使われますけど、名乗っているかは微妙なところ。
ただし本人が「マシンライブ」と謳っているならマシンライブです。それでいいのです。
MPCでヒップホップ作る人達も言わないでしょうねぇ。ビートメイカー、フィンガードラムとなります。
更にはモジュラーシンセとなると音楽ジャンルの枠が壊れます。
要はその育ってきた文化によって呼び方が変わってくるだけです。

ただ軸足をマシンライブに置きながらこれらのTipsやノウハウを取り入れたり、
それらの分野に移行するのも容易です。

◯DTM(楽曲制作)とはどう違う?


成果物の違いから色々と差が出てきます。
楽曲制作では仕上げた曲を作品として扱う、
ライブでは曲を媒介として扱いフロアを盛り上げる(自らの音楽観に引き込む)のが目的、といった所でしょうか。
一曲の長さも5分程ですがクラブやライブハウス現場でのライブとなると30分以上ノンストップが基本。
純粋に楽曲クオリティのみで評価される楽曲制作と違い、
どんな機材を使っているか?どんな仕草でプレイに臨んでいるか?などビジュアル面での要素も加わります。
またDJのようにフロアの空気を読み取ってプレイを構築する適応力も求められます。
但し「ドラム一音を徹底的に磨きぬく」DTMのように綿密な精度を求められる訳でもなく、
こちらの方が気軽です。

このあたりは2000年前後のDJ文化の影響が大きくDJ出身者も多く居ます。

◯DAWやソフトシンセに対してのアドバンテージ

現在ではMIDIコントローラーを使ったDAWによるライブも盛んですが、
それらに対してハードウェアシンセの有利な面は即興性とダイレクトなコントロール。
そしてハードウェアならではの荒々しい音質。耳の肥えた方なら違いは一聴してわかります。
また専用機器故にCPUパワーに依存せずクラッシュしにくい安全性があります。
またソフトと違って飽きたら売れます。馴染まないと思った機材も売買し易いです。

突き詰めると永遠に終わらないDAWでの楽曲制作に対して、
マシンライブでは一発勝負。このシンプルな分かり易さが楽しさに直結します。
求道者の修行のように悩み続ける必要もありません。

ソフトウェアだとアップデートの度に発生する料金、いまだ大抵のDAWには必須ですよね。
その「お布施」が要らない。サブスクも無用。
もちろんハードウェアにはそんなもの無いです。ファームウェアのアップデートも基本タダ。

トータルコストも高価なスピーカーやオーディオインターフェイスの必要な中級以上のDTMに比べれば安上がりです。

自分自身、初めはDJ仲間と共にレーベルを立ち上げてDTM/トラックメイクから初めましたが、
みんな揃いも揃って家でシコシコ細かい作業をするのが性に合わず全滅しました。
そんな風にDJの次のフィールドとして探し当てたのがマシンライブだった訳です。
現在はマシンライブとモジュラーシンセを行ったり来たりしてます。

◯マシンライブ特有の価値観



・必ずしも高級な機材を使う事が優れている訳ではない
・多機能と操作性は反比例する
・多機能と高品質は全く別の価値観
・大きな機材ほど操作性が良い
・安い機材、古い機材、少ない機材でライブする人は大抵が百戦錬磨の手練れ
・演奏を聴かせるというより、音を媒介に聴衆とコミュニケーションをするのが目的
・個人が持ち運べる機材の量には限界がある為、その制約の中で何を選ぶかがシビア
・機材ばっか見ずにフロアのお客さんと目を合わせられるか
・音数は少ない方が格好いい
・できるプレイヤーはセットアップも片付けも早い
・初心者:少ない機材、中級者:機材てんこ盛り、上級者:少ない機材

このようにミュージシャンよりもDJ文化の影響を強く受けていますが、
設備に対して保守的なDJよりも機材選びが個性に直結するので話題も華やかです。
決まった演奏スタイルもなく議論のしようがないからSNS上でもギスギスする事はほとんどなく、
Pay to Winという訳にもいかないから機材を沢山持っている人が威張っている訳でもありません。
至って平和な世界ですよ(他分野のSNSユーザーを眺めていたら空気の悪さにビックリしました)。

◯DTMと両立できる?

できます。多くのプレイヤーが「制作とライブは別物」とは言っていますが、
別物であっても互いの体験や経験をフィードバック出来ます。   

◯生楽器経験や音楽理論は必要?

特に必要ないです。
あれば役に立つでしょうが、必須ではありません。
このあたりDTMよりもハードルは低いです。

◯アウトプットするフィールドは?


従来のライブハウスやクラブに加え、
コロナ以降には「ライブのネット配信」「動画作品としてのライブ」も増えてきています。
特にアンビエント系のプレイを屋外や凝ったロケーションで撮影した動画作品は、
従来の音楽の楽しみ方とは違う価値観を見いだせます。
はたまた聞くところによるとVR Chatのような
ヴァーチャルな世界でもDJに混ざって行われているようです。

◯末永く楽しむ為の条件

・ミニマルテクノを楽しめるか

短いフレーズを延々と繰り返すミニマルテクノ。
これを楽しんで聴けない方は向いていません。

なぜならドラムマシンもグルーヴボックスも1小節〜4小節の繰り返しが基本。
また「普通の音楽」では必須のコード進行も意識しない方が良い。
出来れば音階の無いドラムだけの1小節のフレーズをずっと聴いて気持ちよくなれるか、が最初の関門です。

・音階だけでなく音色の変化を楽しめるか

四つ打ち系のクラブ音楽を楽しんできた人なら身体で覚えている通り、
シンセサイザーで作る音楽の特色として、
メロディは変わらないのに音色だけが変化する、というのがあります。
これが他の楽器と比べたシンセサイザー音楽の最も特徴的な一面。

◯習得の上で厄介な面

機材選びが個性に直結すると言いましたが負の側面もあります。
同じ機能でもメーカーによって名前が違っていて混乱します。
たとえば「トラック」が「パート」だったり、
「クオンタイズ」がDAWやグルボでは発音タイミングを揃える事だけど、
モジュラーシンセでは音階のクオンタイズ(スケールクオンタイズ)となります。

◯機材の操作に慣れてきたら動画撮影も視野に入れよう



簡単な三脚を用意してスマホでプレイ動画を撮影しましょう。
iPhoneならIMovieで軽く編集して
1分未満ならYoutubeショート、インスタグラムにもUPできます。
SNSでのアピールが活動の第一歩です。

◯人脈と情報交換

既に仲の良い友達が居るならそれで良いけど、人脈すごく大事です。

日本人の電子楽器ユーザーはほぼTwitter(X)で情報交換しています。
わからない機能について教わったり、事情を話して購入相談なんかも出来ます。
みんなそこで近所のライブハウスを見つけたり、中古売買の情報を集めたり、
Youtubeのライブ動画を漁ったりしてますね。

もちろんスマホで撮った自分のプレイ動画をUPするのもアリ。
短い動画でマメにアピールするのも大きな宣伝効果があります。

◯どんな人達がやってるの?

年齢層は他の音楽よりやや高めで、30代後半〜ってとこでしょうか。
マシンライブ、と言わなくとも電子音楽全般でなら60代の人もゴロゴロ居ますよ。
若い頃に何かしら他の音楽活動をやっていた経験があるのがほとんど。

キャラクター的には理系の人、クラブの人、パンクな人、DTMの人あたり。
今の時代なら陰キャに分類される類いの人達。
みんな「イイ歳だから」仲良くやってる印象ですね。
若い女の子も居なくはないけど、
そもそもマニアックな世界だからか皆ちゃんと「わきまえて」ます。

◯住んでる所の格差はあるか?


自分自身は都内在住ですが、大都市か田舎かで活動のし易さにあまり差はありません。
都心の方が有利に思われがちですが、地方在住の方も野外イベントや映像作品で活躍しているイメージです。


地方在住の方なら屋外での演奏、動画撮影を念頭に置いて機材を揃えていくと良いでしょう。

都心の人は持ちづらいけど郊外在住なら当たり前に持ってるクルマ。
機材まとめて2.30kgあるのが普通なんですけど、それ抱えての電車移動は割と地獄です。

そのため、インターネットの普及している現代では都心と地方の格差は大した事ありません。

◯ライブオファーまでの流れ


お友達や知り合いで近い音楽をやってる人がいない場合、自分で営業するしかありません。

・手段1:古典的な手法

やはりやりたいお店に直に通うのが一番。
店員さんに「ここでライブしたい」とアピールするのが手っ取り早いです。
しかし、マシンライブはまだ認知度が高くなく店員にすら「はぁ?」って顔をされる場合も多いです。
「自分を使えば集客で期待できるぞ」って思わせるのがコツ。

・手段2:SNSアピール

自身のプレイ動画をたくさんSNSにアップしてアピールします。
当然ですがSNSでも住んでいる地域や可能な時間帯などを公表しましょう。
だいたいそれを観たパーティオーガナイザー/又はイベンターと呼ばれる人に誘って貰えます。

片っ端から演者を誘ってお金を巻き上げるとうな詐欺まがいのケースも稀にあるので注意しましょう。

逆にイベントを選ぶ時は、定期的にやっているか、金銭的負担が軽いか、通いやすい地域にあるか吟味しましょう。
場数を踏んでできるだけ多くライブするのが上達への近道です。

◯現場心得

まず挨拶。ライブハウスやクラブの店員さんに面通しを兼ねて挨拶しましょう。

「おはようございますー。今日のイベントでライブさせて貰う◯◯って者ですー」

音楽自体が成果物ではなく、音楽を媒介とした演者と聴衆のコミュニケーションが目的です。
挨拶できねぇ奴は即出禁です。
出演料(演者がお店に払うもの)ギャラ(お店が演者に払うもの)、集客ノルマ(何人呼んで来い、とか)
そういった諸々の責任が伴います。お金を払う必要が無い場合も集客や接客は演者の義務です。
事前にパーティオーガナイザーやイベンターに確認しましょう。
なぁなぁで進めると後でトラブルになります。特にSNS上でのオファーには気をつけましょう。

それから恋の出会いなどありません。
客層はだいたい面倒臭いオタクのオッサンです。
そういうのをご所望ならマシンライブなんて辞めてDJしましょう。
DJの方が遥かにチャンスに恵まれています。


プレイ本番中に自ら踊る事(身体を揺らす程度で良い)で、緊張をほぐす事ができます。
プレイヤーは自分の音に酔ってるのではなく、内心は怖くてビビり上がってるだけです。


プレイが終わった後に上手くいかなかったとしても「あー、今日ダメだった〜」なんて口が裂けても言ってはいけません。
もちろんSNS上ででもです。厳禁です。どんなに酷いプレイだったとしても、せめてそのイベントの最中はドヤ顔を貫いて下さい。

◯現場でよくあるトラブル

・ACアダプタ忘れた

本当によくあります。

・ACアダプタ間違えて繋いで機材壊す

シャレにならんけど現場は基本的に暗いです。

・踊ってるお客がケーブルに足引っ掛けて機材落とす。

これもよく聞きます。ちなみに自分は自分が踊って本番中に機材崩した事あります。

・酒ぶっかける

これもありますね。お客だと強くは言えませんし自己責任です。
早めに片付けましょう。

・他のライブアクトと備品を間違える

ケーブルで多発します。人のを持って帰っちゃったり逆にパクられたり。

・音を止めちゃう

機材トラブルで本番中音を止めてしまうトラブルは「みんな通る道」です。
焦らずビビらずフテブテしく対処しましょう。
場馴れしているお客さんがいれば逆に騒いで冷やかしてくれます。
後で一杯奢りましょう。

自分の場合は大袈裟に大声で「あー!やっちゃった!ごめんなさいね〜」と叫びます。
大声を上げると大抵自分自身が落ち着きます。
ここでひと息ついてタバコを咥えるとお客が「アイツただモンじゃねぇぞ?」と勘違いしてくれます。
手は震えてますがね。


◯Youtubeチャンネル紹介

実際によく会っていたりTwitter上で交流をしている人達の持つチャンネルを紹介します。

TAKEO WATANABE(新潟)

https://www.youtube.com/@takeowatanabe9454

インタビュー記事にも応じて貰ってるWATANABE氏。
ELEKTRON Model:cyclesをはじめSP-404などの演奏を荘厳な自然の中で行っています。
https://patching-for-anything.com/2024/08/18/patching-for-takeo-watanabe/

masaaki.h (Masaaki Haga)(新潟)
https://www.youtube.com/channel/UCpkj6Fbv2A_3GC8qysD8xtA

WATANABEさんと同じ新潟在住で、ELEKTRON Digitoneが中心です。
聴いていて心地よいアンビエント作品やダンサーとのコラボ作品。



SERi(静岡)

https://www.youtube.com/@SERi_acdwrx


マシンライブ界では王道と言えるジャンルACIDを長年プレイし続けているSERi氏。
様々な機材を使いますが、ライブではシンプルな構成での圧巻のプレイを楽しませてくれます。


ghostradioshow(東京)

https://www.youtube.com/@ghostradioshow


YoutubeがGoogleに買収される以前から(!)プレイ動画を作っているパイオニア。
写真や動画撮影にも造詣が深く、観ていてウットリします。



SHINGA GrooveBox DJ(岡山)

https://www.youtube.com/@DJSHINGA



この界隈には珍しくライブ動画のみならず機材解説や飲酒雑談もしてくれてます。
掴みやすい解説で同じ機材をお持ちなら頼りになりますよ



Freaky Tweaky(Yebisu303)(神奈川)

https://www.youtube.com/@FreakyTweaky


この分野では知らない人はいないエビスさんのチャンネル。
ここに紹介している面々の中では複数の機材を自在に扱っている姿は見ものです。

Chihiro System(埼玉)

https://www.youtube.com/@chihirosystem7091


埼玉を中心に活動しているプレイヤーで、
「安い機材、古い機材、少ない機材でライブする手練れ」の良い見本。
心地よいアンビエントが中心ですね。

Official Waveform Laboratory(名古屋)

https://www.youtube.com/@officialwaveformlaboratory6739


名古屋でダブテクノひと筋のレーベルを運営するWataruNaruse氏のチャンネル。
複数台のELEKTRONマシンを使い実際のクラブでのライブ風景を伺えます。





derpippoasumei(愛知)

https://www.youtube.com/@derpippoasumei/featured

derpippo氏のチャンネルは鍵盤モノのシンセを多用していて、その点この中では異色の存在に思えます。
音楽自体もダンス系にこだわらず多彩で、音楽に詳しくないリスナーにも存分に楽しめるプレイです。



活動拠点となる在住地域を公表させて貰ったのは、必ずしも都心に集中している訳ではないのをお伝えしたかったからです。
またモジュラーシンセは割愛しています。あくまでもグルーヴボックスによるマシンライブでチャンネルをお持ちの方。
たまたま大阪圏はいないけど、あちらは病的にエゲつないアバンギャルドな修羅の国なのでお手本にすらならないかと(笑)。
このように、だいたい長く活動している方は自身のプレイスタイルが確立してる方がほとんど。
流行りに流されない当人の音楽性を色濃く出しています。




Tags: Youtube
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